F4042【短刀】兼定
本短刀は、室町時代末期に活躍した名工「和泉守兼定」による一振りとされる、銘「兼定」の短刀です。兼定は美濃国・関の名門刀工で、特に二代目以降はその名を全国に轟かせ、多くの武将に愛用されたことで知られています。室町末期は戦国の世が最も激しさを増した時代で、実戦に耐える堅牢な刀剣が求められました。
本刀は平造で、地鉄は板目肌がよく詰み、刃文はきれいな互の目が明瞭に現れ、緊張感と美しさを兼ね備えています。茎(なかご)は、生ぶで栗尻、研ぎ立ての刀身が非常に美しく、ハバキは透かし細工の施された二重ハバキです。
拵は赤塗ツヤ鞘の合口拵で、華やかさと上品さを併せ持ち、御守刀としても最適な造りとなっています。携帯性に優れた短刀は、戦場においても護身用として重要視され、また主君や家族を守る想いを込めて身につけられました。
歴史的背景と美術的価値を兼ね備えた本短刀は、コレクションとしてはもちろん、大切な人への贈り物にもふさわしい逸品です。
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- 銘
- 兼定
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- 時代
- 室町時代末期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 177g
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- 刀身
- 27.9cm
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- 反り
- 0.3
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- 元幅
- 2.7
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- 元重
- 0.5
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- 先幅
- 1.8
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- 先重
- 0.4
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- 登録番号
- 東京都 第313048号
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- 登録年
- 平成27年