B4087【拵付刀】宗廣
本刀は、昭和期に活動した刀匠「尾州吉田宗廣」の手による一振で、現代刀としての風格と、見事な彫物による装飾性を兼ね備えた一品です。宗廣は、尾張国(現・愛知県)吉田にて鍛刀を行っていた刀工で、戦前から戦後にかけての時代に、多くの鑑賞刀・実用刀を手がけたことで知られています。
刀身に龍の彫物(表)と梵字(裏)を刻むことで、霊力や守護の意味を持たせた意匠となっており、拵との一体感も見どころのひとつです。地鉄は無地肌で、刃文には互の目に足が入る変化のある姿を見せています。中切先、やや厚みを残した茎は生茎で栗尻。金色ハバキに加え、赤茶の漆で刻み模様を施した鞘、そして丸形の鉄製鍔が、全体に渋くも重厚な印象を与えています。
保存状態は良好で、錆は見られませんが、約3mmの刃こぼれが一点ございます。その点を考慮しつつも、宗教的・芸術的意匠が施された本刀は、現代刀として高い鑑賞価値を有しています。昭和という激動の時代を映した一振、ぜひお手元にてご堪能ください。
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- 銘
- 宗廣
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- 時代
- 昭和時代
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 602g
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- 刀長
- 66.3cm
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- 反り
- 1.4
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- 元幅
- 3
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- 元重
- 0.6
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- 先幅
- 1.8
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- 先重
- 0.5
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- 登録番号
- 埼玉県 第9154号
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- 登録年
- 昭和28年