D4149【白鞘脇差】兼定
室町時代中期に鍛えられた銘「兼定」の白鞘脇差です。兼定は美濃国関を代表する刀工一派であり、和泉守兼定の名は日本刀史に燦然と輝きます。鎬造・庵棟、板目肌が緊密に詰み、直刃に乱れが交じる刃文を見せ、小切先が特徴的な姿をしています。茎は生ぶ茎に栗尻を残し、古雅な趣を漂わせます。全体にはサビを取った跡と二か所の刃こぼれが見られますが、時代を超えて伝来した刀剣としての風格を存分に感じさせます。
兼定といえば幕末の新選組副長・土方歳三が佩刀したことで広く知られ、さらに昭和の文豪・三島由紀夫が愛刀としたことでも著名です。その名は現代に至るまで武士の美学を象徴する存在として語り継がれています。刀剣乱舞でも兼定一派はキャラクター化され、若い世代からも注目を集めており、歴史と現代文化をつなぐ架け橋としても人気を誇ります。
本脇差は室町期の美濃刀の典型を備えつつ、兼定銘が刻まれた貴重な一振。コレクションや鑑賞においても、また刀剣史を学ぶ上でも価値ある品といえます。歴史的人物と深い縁を持つ刀匠「兼定」の技を、ぜひお手元でご堪能ください。
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- 銘
- 兼定
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- 時代
- 室町時代中期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 423g
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- 刀長
- 51.7cm
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- 反り
- 1.2
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- 元幅
- 2.8
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- 元重
- 0.6
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- 先幅
- 1.8
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- 先重
- 0.4
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- 登録番号
- 新潟県 第04007号
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- 登録年
- 令和6年