室町末期 無銘 拵付脇差 直刃互の目 象嵌鉄鍔
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- 銘
- 無銘
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- 時代
- 室町時代末期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 2個
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- 重量
- 363g
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- 刀長
- 47.8cm
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- 反り
- 1.1cm
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- 元幅
- 2.6cm
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- 元重
- 0.6cm
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- 先幅
- 1.8cm
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- 先重
- 0.4cm
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- 登録番号
- 福岡県 第35108号
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- 登録年
- 昭和35年
室町時代末期は、応仁の乱以降に戦乱が全国へと広がったいわゆる戦国時代の時期にあたります。刀剣需要が急増したこの時代には、各地の刀工が実戦向けの堅牢な作刀を手がけており、現在に伝わる脇差のなかにも当時の気風を色濃く残す作品が数多く見られます。
本品は銘こそ刻まれていませんが、室町末期の作刀傾向を忠実に体現した脇差です。造込みは鎬造・庵棟で、実用性と形状美を兼ね備えた当時の標準的な様式を踏まえています。地鉄は板目が詰み、緻密で落ち着いた肌を呈しています。刃文は直刃を基調に互の目が交じるもので、規則的な中にも変化があり、見応えのある出来栄えです。切先は小切先の大丸に結び、柔らかみのある姿を形成しています。茎は生茎(うぶなかご)で栗尻、目釘穴は2個を数えます。銅ハバキが茎をしっかりと支えており、保存状態も良好です。
拵は見どころが多く、鞘は茶地に金色を散らした浅虫塗風の変わり塗で、落ち着いた色調のなかに品のある華やかさを持ちます。鍔は鉄地に山水画を象嵌で表した意匠で、武具としての機能美に加え、工芸品としての鑑賞価値も高いものです。
保存状態については、錆および刃こぼれはなく、脇差としての良好な状態を保っています。室町期の無銘脇差としては手の届きやすい価格帯であり、時代拵が完備されている点も魅力のひとつです。日本刀の入門として、あるいは室町時代の作刀様式や拵工芸に関心をお持ちの方にとって、実物を通じて歴史を感じられる一振りです。