D4158【白鞘脇差】家次
銘「家次」を冠する白鞘脇差で、室町時代末期に加賀国で鍛えられた加州刀の一振です。刀身は平造り、板目肌がよく現れ、直刃に小乱れが交じる穏やかな刃文を示します。切先は中切先で、時代を感じさせる落ち着いた姿を備えています。茎には大きく力強く「家次」と刻銘されており、刀工の自信と存在感が伝わります。
加賀国の家次は、応永頃(15世紀初頭)から続く名流で、加州刀の代表的な刀工群のひとつとされています。戦国期には加賀藩前田家の領地において需要が高く、多くの武士に供された実用的な刀剣を生み出しました。その特色は、健全で実戦向きの造りと、力強い直刃や乱れの交じる刃文にあり、本作にもその特徴がよく表れています。
銅地を黒く仕上げた二重ハバキが添えられ、簡素ながらも重厚感を演出しています。保存状態も良好で、錆や刃こぼれがなく、歴史的背景を感じさせると同時に鑑賞に堪える品格を備えています。加州家次の作品は現存数が限られ、特に室町末期の作刀は希少性が高く、コレクターや研究者にとって見逃せない一振です。
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- 銘
- 家次
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- 時代
- 室町時代末期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 187g
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- 刀長
- 31.3cm
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- 反り
- 0.6
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- 元幅
- 2.6
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- 元重
- 0.6
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- 先幅
- 1.8
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- 先重
- 0.3
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- 登録番号
- 茨城県 第33240号
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- 登録年
- 昭和49年