D4168【白鞘脇差】忠行
江戸時代初期に活躍した刀工「摂津守源忠行」による銘入り白鞘脇差です。忠行は京の名門・粟田口派に連なる刀匠で、名高い粟田口近江守忠綱の実弟として知られています。江戸初期は戦国の動乱が収束し、武士の武器が実戦用から威厳を示す武具へと変化していく過渡期にあたり、刀工たちは切れ味に加え、品格ある姿を追求しました。
本脇差は鎬造・庵棟の端正な造り込みで、地鉄は板目肌がよく現れ、直刃の刃文が清澄な趣を放っています。切先は大切先で力強さがあり、実戦を意識した作風が感じられます。茎は生ぶで栗尻、銅二重ハバキを備え、保存状態も良好で、さびや刃こぼれは見られません。
忠行は京を代表する一派の中でも確かな技量を誇り、その品格ある直刃は研ぎ澄まされた美を伝えています。本作は歴史的背景や刀工の系譜を鑑賞できる、コレクターや愛刀家に大変魅力的な一振といえるでしょう。江戸初期の粟田口系刀匠の姿を今に伝える逸品を、ぜひこの機会にご堪能ください。
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- 銘
- 忠行
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- 時代
- 江戸時代初期
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- 刃紋
- 直
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 471g
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- 刀長
- 53.5cm
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- 反り
- 1.2
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- 元幅
- 3
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- 元重
- 0.6
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- 先幅
- 1.7
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- 先重
- 0.5
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- 登録番号
- 山形県 第36432号
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- 登録年
- 昭和48年