D4181【白鞘脇差】國廣
「肥前住藤原國廣」と銘のある白鞘脇差で、江戸時代初期に活躍した肥前刀工の一振です。鎬造・庵棟の整った姿に、きめ細かな小糠肌(こぬかはだ)が美しく現れ、典型的な肥前刀の精緻な鍛えを示しています。刃文は乱れ心の直刃で、穏やかな揺らぎの中にも静かな品格を感じさせる出来。中切先で姿のバランスも良く、刀身には錆や刃こぼれもなく保存状態は良好です。
國廣は「肥前刀」の初期を支えた刀工群の一人とされ、忠吉一門との関係も深いと伝えられます。江戸初期の肥前国(現在の佐賀県)は、平和な泰平の世にあっても、武家の威信を象徴する美術刀剣の需要が高く、匠たちは地鉄の美しさと焼刃の均整を追求しました。本脇差はその時代の空気を伝える一口であり、実用性と鑑賞性を兼ね備えた逸品です。銅二重ハバキも丁寧な作りで、刀身との調和を際立たせています。
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- 銘
- 國廣
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- 時代
- 江戸時代初期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 431g
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- 刀長
- 50.5cm
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- 反り
- 1.4
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- 元幅
- 2.9
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- 元重
- 0.6
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- 先幅
- 1.7
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- 先重
- 0.4
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- 登録番号
- 山口県 第100号
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- 登録年
- 昭和26年