E4196【拵付脇差】無銘
江戸時代初期(17世紀前半)に鍛えられたとみられる無銘の拵付脇差です。時代の移り変わりの中、戦乱の世が終わり平和が訪れた元和・寛永の頃、武士たちは実用と美を兼ね備えた刀装を求めました。本脇差もその流れを汲む一本で、実用性の中に優美さを漂わせています。
地鉄は板目に小杢目を交え、よく練れて流れ映り立ち、刃文は互の目乱れを見せ、匂口明るく冴えています。磨上茎の古調な姿に中切先が映え、穏やかな姿ながらも武士の気品を感じさせます。
拵は黒地に赤のまだら模様の鞘、梅花形の鉄ツバ、梅模様の縁金と、「梅」尽くしの意匠が印象的。梅は古来、寒中に咲くことから「忍耐」や「再生」を象徴し、武家に好まれた文様でした。銅二重ハバキも丁寧な仕上げで、当時の上質な仕事を物語ります。
白鞘も付属しており、保存状態も良好。江戸初期の風雅と武士の心を今に伝える一振です。
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- 銘
- 無銘
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- 時代
- 江戸時代初期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 2
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- 重量
- 464g
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- 刀長
- 51.2cm
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- 反り
- 1.5
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- 元幅
- 3
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- 元重
- 0.5
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- 先幅
- 2.1
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- 先重
- 0.4
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- 登録番号
- 山梨県 第18644号
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- 登録年
- 平成17年