F4197【槍】無銘
江戸時代末期に製作された無銘の御籠槍(ごろうやり)です。御籠槍とは、武家の籠行列の際、籠の中に収められた小型の槍で、護身具や威儀を示す象徴として用いられた珍品です。通常の槍に比べて短寸でありながらも、刀身には力強い乱刃が見られ、実用と美観を兼ね備えています。
茎から切先までの長さは約25.5cm、拵全長は82cmとコンパクトながら、「丸に九枚笹」の家紋が刻まれており、家柄の高い武家の所持品であったことがうかがえます。さび・刃こぼれもなく、保存状態も良好です。
江戸時代末期は、幕末の動乱を前に、武家文化が最後の成熟を見せた時代。この槍もまた、戦いよりも格式や誇りを示す「武家の美意識」を象徴する一振といえるでしょう。全長が短いため、登録証不要の美術工芸品として安心して所蔵可能です。
武家文化・槍拵の魅力を凝縮した、コレクター必見の逸品です。
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- 銘
- 無銘
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- 時代
- 江戸時代末期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 120g
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- 刀長
- 8.6cm
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- 反り
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- 元幅
- 1.6
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- 元重
- 1.2
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- 先幅
- 1.5
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- 先重
- 0.8
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- 登録番号
- #N/A
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- 登録年
- #N/A