F4203【槍】□元
江戸時代中期に鍛えられた「□元作」の三角槍です。本作は、戦国期から続く実戦槍の伝統を受け継ぎつつ、江戸中期らしい整った造りと鑑賞性を兼ね備えた優品です。槍身は三角槍で、刃こぼれもなく保存状態良好。板目肌が穏やかに流れ、直刃が素直に働く落ち着いた仕上がりとなっています。また、裏面には長さ約7cmの朱入添樋が施され、装飾性と軽快さを兼ね備えた、当時としても丁寧な作域がうかがえます。
茎から切先まで33cmと扱いやすいサイズで、拵は黒塗の鞘を備え、全長53.2cm。特に珍しいのは柄の断面が角形(約2.4cm × 1.8cm)で作られている点で、一般的な丸柄とは異なる希少な造形です。江戸期の槍拵において角柄は流通量が少なく、武具としての個性を際立たせています。
銘は「□元作」とあり、詳細な流派特定は困難ながら、江戸中期らしい端正な鍛えと均整の取れた槍形から、実用と美術性を兼ね備えた鍛冶の手によるものと推察されます。鑑賞用としてはもちろん、武具コレクションのバリエーションを広げたい方にも大変お勧めの一振です。
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- 銘
- □元
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- 時代
- 江戸時代中期
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- 刃紋
- 直
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- 目釘
- 2
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- 重量
- 125g
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- 刀長
- 19.5cm
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- 反り
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- 元幅
- 2.2
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- 元重
- 0.6
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- 先幅
- 0.9
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- 先重
- 0.3
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- 登録番号
- 岩手県 第21972号
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- 登録年
- 昭和49年