D4218【白鞘脇差】正信
江戸時代中期に土佐国(現在の高知県)で活躍した刀工「土佐守正信」による白鞘脇差です。刀身は鎬造・庵棟の端正な姿を見せ、身幅に無理のない均整の取れた体配から、実用性と鑑賞性を兼ね備えた江戸中期らしい作風が感じられます。
地鉄は板目がよく練れ、流れるような肌合いを呈し、刃文は乱れ刃が途切れることなく続き、刃縁明瞭で躍動感に富んだ出来映えです。中切先は程よく詰まり、鋭さと品格を併せ持ち、全体として落ち着きのある中にも武用刀としての気迫が宿っています。三ツ頭の働きも明瞭で、鑑賞時の見どころとなっています。
茎は生茎で栗尻、銘は「土佐守正信」と切られており、銅製の祐乗ハバキが付属します。さびや刃こぼれはなく、保存状態は良好です。刀身重量366gと扱いやすく、脇差としての実用的なバランスも評価できます。
土佐の刀工は、江戸期を通じて実直で堅実な作を身上とし、藩士の佩刀として実用品を多く鍛えました。正信もまた、その系譜に連なる刀工として、華美に走らず、地刃の冴えと実戦性を重視した作風が特徴です。本作は、江戸中期地方刀工の確かな技量を伝える一振として、初めての日本刀収集はもちろん、地方作研究の一口としてもおすすめできる脇差です。
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- 銘
- 正信
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- 時代
- 江戸時代中期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 366g
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- 刀長
- 39.6cm
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- 反り
- 1.1
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- 元幅
- 2.5
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- 元重
- 0.6
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- 先幅
- 1.9
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- 先重
- 0.5
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- 登録番号
- 鹿児島県 第20777号
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- 登録年
- 昭和49年