D4219【白鞘脇差】菊平
江戸時代初期に活躍した刀工、伊賀守源菊平による銘「菊平」の白鞘脇差をご紹介いたします。本作は、鎬造・庵棟の端正な姿に、小切先を備えた実用性の高い一振。刀身には板目肌が流れ、地鉄の働きが自然に現れており、直刃を基調に乱れを交えた刃文は、江戸初期らしい落ち着きと力強さを兼ね備えています。
刃こぼれや錆は見られず、保存状態は良好。生茎・栗尻の茎形を保ち、ヤスリ目は判然としないものの、銘振りや全体の作風から、当代において一定以上の評価を受けていた刀工であることがうかがえます。銅ハバキ付きで、鑑賞・収蔵はもちろん、白鞘のまま研究用としても適した一振りです。
江戸初期は、戦国の実戦性から泰平の世に向け、刀剣が武器から武家の格式や美意識を示す存在へと移行していく過渡期。本作にも、過度な華美を避けつつ、実直で洗練された造形美が色濃く表れています。現代においても「力強く洗練された脇差」として評価が高く、初期江戸刀を代表する作風を味わえる点は大きな魅力です。
刀身長50.4cm、反り0.9cmと取り回しの良い寸法で、脇差としての均整も良好。江戸初期刀の魅力を実感できる、コレクション性と実用性を兼ね備えた一振としておすすめいたします。
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- 銘
- 菊平
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- 時代
- 江戸時代初期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 451g
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- 刀長
- 50.4cm
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- 反り
- 0.9
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- 元幅
- 2.8
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- 元重
- 0.7
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- 先幅
- 1.8
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- 先重
- 0.5
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- 登録番号
- 佐賀県 第4100号
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- 登録年
- 昭和27年