D4221【白鞘脇差】包光
江戸時代末期、文政五年(二一八二)に鍛えられた、銘「包光」の白鞘脇差です。表銘に「日置藤原包光造之」、裏銘に年紀「文政五年二月吉日」を刻む、来歴の明確な在銘刀で、保存状態も良好。さびや刃こぼれは見られず、鑑賞・収蔵に適した一振です。
造りは鎬造・庵棟。地鉄は小杢目がよく詰み、落ち着いた鉄味を湛えます。刃文は端正な直刃で、江戸後期らしい穏やかな美意識が表れ、実用性と品格を兼ね備えた作風です。小切先に生茎・栗尻の姿は、当時の作刀規範を忠実に踏まえたもの。木ハバキを備え、白鞘に収まることで刀身の姿と地刃の冴えを素直に楽しめます。
文政期は泰平の世にあって武用よりも美術的価値が重んじられ、質の高い地鉄と整った刃取りが追求された時代。本作の清廉な直刃と緻密な地肌は、その潮流を体現しています。なお、本品には鞘書および贈答の文書が添付され、当時の交流や贈答文化をうかがえる点も魅力です。年紀が示す頃は、農政家として名高い 二宮尊徳 が活躍した時代背景とも重なり、歴史的想像を掻き立てます。
刀工の 包光 については史料が限られるものの、在銘・年紀入りで作域が明確な点は評価に値します。江戸後期の端正な直刃脇差を求める方、来歴資料付きの収蔵品をお探しの方におすすめの一振りです。
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- 銘
- 包光
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- 時代
- 江戸時代末期
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- 刃紋
- 直
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 363g
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- 刀長
- 39.3cm
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- 反り
- 0.4
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- 元幅
- 2.8
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- 元重
- 0.7
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- 先幅
- 1.9
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- 先重
- 0.5
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- 登録番号
- 東京都 第127740号
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- 登録年
- 昭和40年