D4222【白鞘脇差】無銘
室町時代中期に制作されたと見られる無銘の白鞘脇差です。戦国期へと向かう動乱の時代、実戦に即した刀剣が数多く生み出された時代背景を色濃く映し出す一振といえます。刀身は鎬造・庵棟の端正な姿で、過度な装飾を排した実用本位の造りが特徴です。
地鉄は細やかな小糠肌がよく詰み、澄んだ地景が全体に広がります。鍛え肌の荒れや目立つ欠点は見られず、室町中期刀としては状態が良好で、落ち着いた品格を感じさせます。刃文はゆったりとした湾れ調を基調とし、柔らかな起伏を伴う乱れが穏やかに続き、時代らしい実直な美しさを備えています。
中切先で重心のバランスが良く、刃区から切先にかけて自然な反り(1.4cm)を描くため、実用性と鑑賞性の双方に優れています。茎は生茎・栗尻で、右上がりのヤスリ目が明瞭に残り、長年の時を経ながらも改変のない点は評価すべきポイントです。銀ハバキが付属し、白鞘に収められた姿は凛とした佇まいを見せます。
無銘ではありますが、刀身の出来や地刃の調和から、当時の地方刀工、あるいは実戦用を担った良工の作と考えられます。さびや刃こぼれもなく、室町中期刀を初めて手にする方から、実用刀剣の魅力を重視する愛好家まで、幅広くおすすめできる一振です。
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- 銘
- 無銘
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- 時代
- 室町時代中期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 343g
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- 刀長
- 45.2cm
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- 反り
- 1.4
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- 元幅
- 2.6
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- 元重
- 0.6
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- 先幅
- 1.7
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- 先重
- 0.4
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- 登録番号
- 福島県 第65291号
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- 登録年
- 令和7年