D4225【白鞘脇差】加以下不明
室町時代中期に製作されたと考えられる銘「加(以下不明)」の白鞘脇差です。戦乱と秩序の再編が進んだ室町中期は、実戦性と美観の両立が求められ、日本刀の造形と地鉄の完成度が大きく高まった時代として知られています。本作は、そうした時代性を穏やかに映す、上品で整った一振です。
造り込みは鎬造・庵棟で、地鉄は細やかな小杢目がよく詰み、肌立ちの少ない滑らかな質感を見せています。刃文は浅い湾れを基調とし、過度な主張を抑えた落ち着きある表情が特徴で、地刃ともに澄んだ印象を受けます。小切先により全体の姿は引き締まり、実用本位の中にも洗練が感じられます。
茎は生茎・栗尻で、保存状態は良好。さびや刃こぼれは見られず、鑑賞用としても安心してお勧めできるコンディションです。銘は「加」以下が不明ながら、地方銘や工房銘の可能性も考えられ、室町期に各地で活躍した刀工集団の一端を想像させます。付属する銀祐乗ハバキは、刀身の品格を損なわず、白鞘との調和も良好です。
派手さよりも静かな美を重んじる作風は、室町刀の本質を味わいたい方に最適。初めての古刀鑑賞用としてはもちろん、時代の空気を伝える資料的価値を備えた一振として、末永くお楽しみいただけます。
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- 銘
- 加以下不明
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- 時代
- 室町時代中期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 411g
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- 刀長
- 51.2cm
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- 反り
- 1.9
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- 元幅
- 2.7
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- 元重
- 0.7
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- 先幅
- 1.6
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- 先重
- 0.4
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- 登録番号
- 千葉県 第055866号
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- 登録年
- 令和6年