F4235【槍】重宗
江戸時代末期に制作された銘「重宗」の両鎬槍です。両鎬槍は、鎬を両面に明確に立てた格式高い槍姿で、剛健さと実用性を兼ね備えた武具として武家社会で重用されました。刀身は板目が流れ、直刃の刃文が冴え、さびや刃こぼれのない良好な保存状態を保っています。茎から切先まで52.5cmと扱いやすい寸法で、全長211cmの拵は存在感があり、鑑賞用としても優れた一振りです。
銘は「源信国重宗」。信国派は南北朝時代に興り、江戸・明治に至るまで長く続いた名門で、端正な地鉄と実直な刃文を特色とします。重宗もその流れを汲み、華美に走らず、実用を第一に据えた作風が評価されています。幕末期は動乱の時代であり、槍はなお現役の武器として用いられつつ、武家の格式を示す象徴的な武具でもありました。本作は、そうした時代背景を体現する一例といえるでしょう。
槍は刀剣に比べ現存数が少なく、特に状態良好で銘の明確な作品は希少です。武具史・日本刀研究の資料としてはもちろん、和の美術品としてのコレクションにもおすすめできる一振りです。
刀工について
刀工 源信国重宗 は、名門 信国派 の系譜に連なる刀工で、堅実な鍛えと素直な直刃に定評があります。派手さよりも実用性を重んじる作風は、槍という武具において特に真価を発揮します。
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- 銘
- 重宗
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- 時代
- 江戸時代末期
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- 刃紋
- 直
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- 目釘
- 2
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- 重量
- 207g
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- 刀長
- 21.3cm
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- 反り
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- 元幅
- 2.1
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- 元重
- 0.7
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- 先幅
- 2
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- 先重
- 0.5
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- 登録番号
- 神奈川県 第77820号
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- 登録年
- 平成23年