D4244【白鞘脇差】無銘
太平の世へと移り変わる江戸時代初期に制作されたと思われる、保存状態に優れた脇差です。この時代は戦国期の質実剛健な作風を残しつつも、武士の帯刀様式が定まっていく過渡期にあたります。刀身は長さ49.4cmと扱いやすく、反りは0.8cmと浅めに設定されており、当時の実用性と美意識を兼ね備えた姿を今に伝えています。
造込みはスタンダードな鎬造(しのぎづくり)に庵棟(いおりむね)で、中切先が力強い印象を与えます。地鉄は小杢目肌(こもくめはだ)が精緻に詰み、澄んだ美しい肌合を見せています。刃文はゆったりとした湾れ(のたれ)を基調に、互の目(ぐのめ)の足が入る変化に富んだ乱れ刃となっており、非常に鮮明で鑑賞価値の高い一振りです。
茎(なかご)は生茎(うぶなかご)で、栗尻の形状に平行なヤスリ目が見て取れます。付属のはばきは銀着せの台付仕様で、刀身の品格をより一層引き立てています。現在は白鞘に収められており、刀身に錆や刃こぼれは見当たらず、古美術品として良好な状態を保っています。
無銘ながらも、江戸初期らしい真面目な作り込みと、澄み渡る地鉄の美しさが際立つ本作。初めて日本刀を手にする方の入門用としてはもちろん、鑑賞用の脇差をお探しの方にも自信を持っておすすめできる、価格以上の満足感を得られる逸品です。
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- 銘
- 無銘
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- 時代
- 江戸時代初期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 433g
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- 刀長
- 49.4cm
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- 反り
- 0.8
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- 元幅
- 3
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- 元重
- 0.6
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- 先幅
- 1.9
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- 先重
- 0.5
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- 登録番号
- 長野県 第24950号
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- 登録年
- 昭和35年