備前長船横山祐包作 元治二年銘 白鞘刀
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- 銘
- 祐包
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- 時代
- 江戸時代末期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 2個
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- 重量
- 724g
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- 刀長
- 63.6cm
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- 反り
- 0.7cm
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- 元幅
- 2.9cm
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- 元重
- 0.7cm
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- 先幅
- 1.8cm
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- 先重
- 0.5cm
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- 登録番号
- 東京都 第145327号
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- 登録年
- 平成30年
幕末の激動期にあたる元治二年(1865年)に制作された、備前長船横山祐包の手による一振りです。表の銘には「備前長船横山祐包作」、裏には「元治二年二月吉(以下切)」と刻まれており、桜田門外の変(1860年)から程なくした時期の作刀にあたります。尊皇攘夷運動が高まり、武家社会の終焉が迫りつつあった幕末という時代の空気を、この一振りは静かに纏っています。
横山家は備前長船を代表する刀工の家系であり、江戸時代後期から幕末にかけて多くの優れた日本刀を世に送り出しました。祐包はその系譜に連なる刀工で、伝統的な備前伝の技法を堅実に受け継いだ作風が見られます。
造込みは鎬造(しのぎづくり)、庵棟(いおりむね)と呼ばれる標準的な形状で、扱いやすくバランスのよい姿をしています。地鉄には小杢目(こもくめ)が細かく詰み、備前物らしい落ち着いた肌合いを見せます。刃文は直刃を基調に湾れが交じる穏やかな構成で、品格と力強さを兼ね備えています。中切先は堂々とした印象を与え、刀身全体に均整のとれた美しさがあります。茎は生ぶ(うぶ)のままで目釘穴は2個、栗尻(くりじり)と呼ばれる形状の茎尻も当時のままを保っており、本来の姿を今に伝えています。
現状は白鞘(しらさや)に収まり、銅製のハバキが付属します。刀身長63.6cm・反り0.7cm・重量724gと、均整のとれた打刀の仕様です。さびや刃こぼれは見受けられず、保存状態は良好です。
幕末の備前刀を手元に置きたい方や、生ぶ茎の銘刀に関心をお持ちの方にとって、歴史的な背景と保存状態のよさを兼ね備えた魅力ある一振りです。銘の明確さと状態を踏まえると、手の届きやすい設定といえます。