江戸初期 無銘刀 梵字彫物入り拵付き
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- 銘
- 無銘
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- 時代
- 江戸時代初期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1個
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- 重量
- 718g
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- 刀長
- 66.2cm
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- 反り
- 0.8cm
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- 元幅
- 3.2cm
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- 元重
- 0.7cm
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- 先幅
- 1.9cm
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- 先重
- 0.4cm
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- 登録番号
- 香川県 第4841号
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- 登録年
- 昭和30年
江戸時代初期は、戦国の世が終わりを告げ、武家社会が新たな秩序のもとで安定へと向かった時代です。刀剣においても実戦刀から武家の格式を重んじる儀礼的・嗜好的な作品へと需要が移行し始めた転換期にあたります。この時期の作刀は、慶長新刀の影響を色濃く残しつつも、地方鍛冶によって独自の個性が育まれており、無銘ながらも見どころの多い一振りが各地で生み出されました。
本刀は無銘ではありますが、作りの端々に江戸初期の作風がうかがえます。造込みは鎬造・庵棟で、刀の基本形式として最も格調ある姿を示しています。地鉄は小杢目肌がよく詰んでおり、落ち着いた地景が観察できます。刃文は互の目乱れで、焼刃に動きがあり見応えがあります。中切先は均整のとれた姿で、全体としてバランスの良い刀姿を形成しています。茎は生茎(うぶなかご)で栗尻、両面に梵字の彫物が施されており、神仏への祈念や魔除けを意図した当時の信仰的背景を今に伝える貴重な要素です。
拵は銅二重ハバキ、黒塗りツヤ鞘、菊形の鉄鍔が揃い、整った状態で付属しています。菊形の鍔は武家の美意識を反映した意匠であり、全体に落ち着いた風格を添えています。
保存状態は良好で、さびおよび刃こぼれは見受けられません。生茎が残ることで時代の信頼性が高く、梵字の彫物という希少な要素も加わり、資料的・美術的な観点からも注目度の高い一振りです。日本刀の歴史や信仰文化に関心をお持ちの方、また江戸初期の作風をじっくりと鑑賞されたい方にとって、手の届きやすい価格帯ではないでしょうか。