E3953【拵付脇差】康重
本刀は、さびや刃こぼれは無く、保存状態は非常に良好です。板目が流れる地肌に、互の目丁子乱れの刃文が美しく現れています。茎は摺り上げられており、刻まれた銘が途中で切れているのが歴史を感じさせます。ハバキは銅製で落ち着いた雰囲気を持っています。
鞘は明るい茶色地に濃い茶色で模様が描かれていて個性的です。丸形の銅製ツバには覆輪が付けられ、同じく銅製の縁金、頭金とよく合っています。小柄も付属しており、刀剣と甲冑の図の象嵌が美しいです。
江戸時代中期に作られた「武州下原住内以下切(康重)」の貴重な一振りです。室町時代末期から江戸時代を通じて、現在の八王子に住み、刀槍類を制作していた刀工集団のことを「下原鍛冶」といい、この集団が製作した刀槍類のことを「武州下原刀」といいます。後北条氏を後ろ盾に栄えた下原鍛冶でしたが、後北条氏の滅亡後は、徳川氏の御用鍛冶となり、幕末まで刀槍類の制作を続けました。「康重」は始祖「周重」の子で、小田原の北条氏康の「康」を授かり「康重」と名乗りました。
本刀には日本美術刀剣保存協会による鑑定書が付いており、その価値をしっかりと証明しています。
-
- 銘
- 康重
-
- 時代
- 江戸時代中期
-
- 刃紋
- 乱
-
- 目釘
- 2
-
- 重量
- 447g
-
- 刀身
- 48cm
-
- 反り
- 1
-
- 元幅
- 2.9
-
- 元重
- 0.7
-
- 先幅
- 1.8
-
- 先重
- 0.6
-
- 登録番号
- 北海道 第013682号
-
- 登録年
- 昭和33年