A3973【白鞘刀】正広
肥前を代表する名工「正広」による江戸初期の逸品です。地肌は美しい小糠肌で、見事な直刃が美しく出ています。刀身の両面に施された棒樋は丸留めで、幅広で豪壮なつくりは肥前刀ならではの技術の高さを示しています。茎は生茎で、金着せハバキが優美な装いにしています。さびや刃こぼれは、もちろんありません。
拵えは気品ある黒鞘に丸形の鉄鍔を配し、縁頭は揃いの秋草図、目貫は馬です。白鞘も付属しており、保管や手入れにも配慮された一品です。
正広は肥前刀の黄金期を代表する刀工の一人で、佐賀藩のお抱え刀匠としてその名を馳せました。本作からは、当時の肥前刀における高い技術と美意識を感じ取ることができます。保存状態も良好で、肥前刀の特徴を伝える貴重な一振りとして、刀剣収集家の方々にとって価値ある逸品といえるでしょう。
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- 銘
- 正広
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- 時代
- 江戸時代初期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 2
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- 重量
- 756g
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- 刀身
- 68.6cm
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- 反り
- 0.6
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- 元幅
- 3.3
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- 元重
- 0.7
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- 先幅
- 2.3
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- 先重
- 0.6
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- 登録番号
- 岩手県 第1247号
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- 登録年
- 昭和26年