刀

格調高き風格を備えた江戸時代初期の逸品をご紹介します。
刀身は、小杢目肌の地鉄に、互の目が足を伸ばす優美な刃文が美しく入っています。幅広な刀身、大切先と大丸が織りなす堂々たるシルエットは、江戸初期の刀工の確かな技を今に伝えています。茎は生茎で栗尻。銀祐乗のハバキが刀身の気品を一層引き立てています。
拵えは、近年のもので、黒石目の美しい鞘に深緑色の柄、月を配した風景の絵柄が抒情的な木瓜形の鉄製ツバ、縁金と目貫は龍図となっており、全体的にとても優美です。時代の美意識が凝縮された見事な意匠は、本作の価値をさらに高めています。
刀身から拵えまで、美意識が見事に結実した本作は、刀剣ファンの皆様はもちろん、自信を持っておすすめできる逸品です。