B4038【拵付刀】無銘
本品は、江戸時代末期に鍛えられたとされる無銘刀で、日本美術刀剣保存協会の鑑定により「末関(すえせき)」と極められた一振りです。末関とは、戦国時代に名を馳せた美濃・関鍛冶の流れを汲み、幕末の動乱期にもなおその技術と伝統を継承した刀工群を指します。
刀身は鎬造・庵棟、小糠肌に地沸がよくつき、大互の目の華やかな乱れ刃を備え、見る者に強い印象を与えます。大切先の堂々たる姿は、動乱の時代を象徴するような力強さを湛えています。茎(なかご)は生ぶで、栗尻。刀身は研ぎ立てで美しいく、銀製の引両紋付ハバキが装着されています。
拵は黒石目塗鞘に、長丸形でふくりん付の銅ツバが備えられ、実用性と品格を兼ね備えた仕上がりとなっています。
幕末という武士の時代の終焉を迎える中、なおも鍛えられた本刀は、歴史の中で受け継がれた精神と技術を今に伝える貴重な存在です。鑑賞にも実用にも適した、価値ある一振りです。
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- 銘
- 無銘
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- 時代
- 江戸時代末期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 2
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- 重量
- 640g
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- 刀身
- 69.8cm
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- 反り
- 2
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- 元幅
- 2.9
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- 元重
- 0.7
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- 先幅
- 1.8
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- 先重
- 0.5
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- 登録番号
- 新潟県 第073649号
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- 登録年
- 令和6年