E4041【拵付脇差】無銘
本脇差は、江戸時代初期に製作されたと見られる無銘の一振りです。戦国の騒乱が終息し、徳川家康による統一が成されたこの時代、武士たちは実戦の場から行政や文化の担い手へと役割を変えていきました。そんな時代背景の中で、刀は武士の威厳と教養を象徴する存在としての価値を高めていきました。
本刀は鎬造・庵棟、小糠肌が柔らかく地に現れ、刃文には尖り互の目が交じる品のある表情を見せています。中切先で、バランスよく仕立てられた姿からは、実用性と美観の両立が感じられます。茎(なかご)は生ぶで栗尻、刀身は研ぎ立てで美しく、保存状態は良好です。
拵は黒塗ツヤ仕上げの鞘に、角木瓜形の鉄製ツバを備え、金具もすべて揃っており、細部にまで丁寧な仕事が施されています。無銘ながらも、時代の風格と実用美を兼ね備えた脇差であり、江戸初期の武士が日常に携えたであろう姿を彷彿とさせます。
歴史の重みを静かに語るこの脇差は、コレクションにも鑑賞用にもふさわしい一本です。
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- 銘
- 無銘
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- 時代
- 江戸時代初期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 341g
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- 刀身
- 38cm
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- 反り
- 0.8
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- 元幅
- 2.9
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- 元重
- 0.7
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- 先幅
- 1.9
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- 先重
- 0.4
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- 登録番号
- 新潟県 第073510号
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- 登録年
- 令和6年