D4045【白鞘脇差】助定
本脇差は、室町時代中期に備前国長船で活躍した刀工「助定」による一振で、「助定作」の銘とともに、「備前長船住助定作」と記された鞘書が添えられた由緒ある白鞘入りの脇差です。
室町時代中期は、足利将軍家の権威が徐々に衰え、全国各地で守護大名や有力武士が台頭する戦乱の時代でした。この時期、実戦での使用に耐えうる優れた刀剣が多く求められ、名工たちが技を競い合いました。中でも備前長船派は、良質な玉鋼と高度な鍛刀技術で全国的に高く評価され、戦国武将たちの信頼を集めていました。
本脇差は鎬造・庵棟の力強い造りで、板目肌が流れるように美しく、互の目の刃文が連なってリズムある景色を描き出しています。中切先の形状も整い、実用性と美観を兼ね備えた姿が印象的です。生茎には「助定作」の銘が刻まれ、栗尻の茎尻や銅二重ハバキも丁寧な仕上げが施されています。
室町の武将たちが戦場で身に帯びたであろう歴史を感じさせる一振。美術的価値と時代背景の重みをあわせ持つ、貴重な備前刀の脇差です。コレクターや歴史愛好者にぜひお勧めしたい逸品です。
-
- 銘
- 助定
-
- 時代
- 室町時代中期
-
- 刃紋
- 乱
-
- 目釘
- 1
-
- 重量
- 381g
-
- 刀身
- 48.4cm
-
- 反り
- 1.3
-
- 元幅
- 2.9
-
- 元重
- 0.6
-
- 先幅
- 2
-
- 先重
- 0.4
-
- 登録番号
- 愛知県 第59071号
-
- 登録年
- 昭和59年