E4054【拵付脇差】宗国
江戸時代初期に越前国で鍛えられた「相模守宗国」銘の拵付脇差で、表に「相模守宗国」、裏に「越前住」と刻銘された貴重な一振です。宗国は越前の刀工として知られ、同地では徳川家康の命により刀工が集められた背景があり、実戦の名残を色濃く残す作風が多く見られます。
本刀は鎬造・庵棟のしっかりとした造りで、地鉄は板目がよく詰み、時代を感じさせる緻密な肌合いを持ちます。刃文は三本杉風の互の目乱れが際立ち、独特のリズムと力強さを備えており、宗国の個性と高度な焼刃技術がうかがえます。小切先もきれいに整い、脇差ながら存在感ある姿が魅力です。
拵には、松葉模様が施された茶ツヤの変わり塗り鞘が使用されており、落ち着きと華やかさを併せ持った意匠となっています。丸形の鉄製鍔と銅ハバキが、刀身との調和を図りつつ実用性を確保しています。さらに白鞘も付属しており、保存・鑑賞の両面で優れた内容となっています。
実戦期の美しさと格式を併せ持つ越前刀の一例として、また宗国銘の希少性もあわせ、歴史的価値の高い一振です。武家文化に興味のある方や、実用美を重んじるコレクターにぜひおすすめしたい逸品です。
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- 銘
- 宗国
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- 時代
- 江戸時代初期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 465g
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- 刀身
- 53.3cm
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- 反り
- 1.1
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- 元幅
- 2.8
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- 元重
- 0.6
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- 先幅
- 1.6
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- 先重
- 0.4
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- 登録番号
- 秋田県 第16603号
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- 登録年
- 昭和43年