A4061【白鞘刀】兼房
本刀は、昭和に名門関鍛冶の系譜を受け継ぐ「二十三代 藤原兼房」によって鍛えられた白鞘刀で、「濃州関住二十三代藤原兼房作之」の銘を持つ一振です。兼房家は、室町時代より続く関の名門刀工の家系で、長きにわたり伝統を守りつつ、時代に即した刀剣美を追求してきました。本作の作者である二十三代兼房は、その技術と功績が高く評価され、岐阜県の重要無形文化財保持者に指定されています。
刀身は鎬造・庵棟の力強い造りで、梨子地肌と称される繊細で粒立った地鉄が上品な輝きを放ちます。刃文は互の目に足が入り、変化に富んだ見事な働きを見せており、現代刀でありながらも古作を彷彿とさせる風格があります。中切先も整っており、全体のバランスが優れた美しい姿を保っています。
茎は生ぶで、銘文は丁寧に刻まれ、刀工としての誇りと品格が伝わってきます。銀色のハバキも上質で、白鞘に納められた状態は保存・鑑賞の両面で申し分ありません。
昭和という時代にあって、伝統の技を現代に伝えた名工によるこの一振は、芸術性と技術が結実した現代刀の優品です。現代の名刀を求める方、美術工芸としての日本刀を楽しみたい方におすすめの逸品です。
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- 銘
- 兼房
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- 時代
- 昭和時代
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 696g
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- 刀身
- 64.5cm
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- 反り
- 1.4
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- 元幅
- 3
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- 元重
- 0.7
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- 先幅
- 2
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- 先重
- 0.5
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- 登録番号
- 新潟県 第69696号
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- 登録年
- 平成24年