A4072【白鞘刀】時雄
昭和時代は、日本が戦後の混乱から立ち直り、高度経済成長を遂げた激動の時代でした。そんな中、古来の武士道精神を現代に伝える居合道が再び注目され、数々の名刀が生み出されました。
この白鞘刀は、銘「時雄」を持ち、居合道範士九段、兵庫県警部補であった宇高時雄尉による作品です。鎬造、庵棟の堅牢な造りに、無地肌と鮮明な大互の目が連なる刃文が美しく映え、鍛錬の技を誇示しています。大切先は居合用として切先の操作性を重視した造りであり、刀身が長く重量があるため、実際の抜刀練習においても重厚な存在感を放ちます。生茎には栗尻、銅ハバキが装着され、刀身をしっかりと支えます。表には「居合道範士九段兵庫県警部補宇高時雄尉作」、裏には「昭和五十九年三月吉日」と刻銘があり、昭和後期における武道家の気概と精神性を今に伝えています。さびや刃こぼれのない良好な状態は、宇高範士の誠実な鍛刀と長年の保存努力の証です。
昭和時代に生まれ、現代に受け継がれるこの刀は、居合の実用と美術的価値を併せ持つ逸品です。是非、時代を超えて受け継がれた武士の心を感じ取ってください。
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- 銘
- 時雄
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- 時代
- 昭和時代
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 980g
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- 刀長
- 72cm
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- 反り
- 2.4
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- 元幅
- 3.5
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- 元重
- 0.9
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- 先幅
- 2.2
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- 先重
- 0.5
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- 登録番号
- 兵庫県 第98256号
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- 登録年
- 昭和59年