C4074【軍刀】関一文字
昭和時代、日本は戦争と復興という歴史的転換を遂げました。
この「関一文字」の軍刀は、昭和13年に制定された陸軍制式軍刀、いわゆる「九八式」と呼ばれる刀で、昭和18年という刻銘が時代の空気を如実に伝えています。
鎬造、庵棟の力強い造りに、無地肌と見事な鮮明な小互の目が連なる刃文が美しく、刀匠の誠実な技術が光ります。中切先は鋭く、実戦に即した設計となっており、持ち主の武士道精神を映し出しています。生茎には栗尻と銀ハバキが装着され、鞘や拵は実戦用の軍刀らしい質実剛健な仕様です。
表には「関一文字」の銘と関の刻印、裏には「昭和18年」と刻まれており、当時の日本刀製作の中心地、関の地の誇りと、戦中における刀匠たちの心意気が感じられます。さびや刃こぼれのない保存状態の良さは、時代を超えた逸品であることを物語ります。
昭和の激動をくぐり抜けたこの軍刀は、単なる武器以上に、日本刀の伝統美と歴史を現代に伝える貴重な存在です。歴史の息吹と刀匠たちの魂を、ぜひこの一振から感じ取ってください。
-
- 銘
- 関一文字
-
- 時代
- 昭和時代
-
- 刃紋
- 乱
-
- 目釘
- 1
-
- 重量
- 746g
-
- 刀長
- 62cm
-
- 反り
- 1.5
-
- 元幅
- 3.1
-
- 元重
- 0.8
-
- 先幅
- 2
-
- 先重
- 0.4
-
- 登録番号
- 新潟県 第073991号
-
- 登録年
- 令和7年