D4076【白鞘脇差】助光
室町時代末期は、応仁の乱以降の戦国時代の混乱期であり、武士たちが生き残りをかけて刀剣に実戦性を求めた時代でした。
この銘「助光」の白鞘脇差は、そんな動乱の中で生まれた一振。鎬造、庵棟の堅牢な造りに、板目が流れ柾目肌を交える鍛えは、鍛冶師の巧みな技と戦国の実用刀らしい堅実さを感じさせます。直刃に湾れが交じる刃文は、見る者に素朴ながらも味わい深い印象を与え、中切先の鋭さと生茎の栗尻形状が、当時の実戦用脇差としての機能美を示しています。銅ハバキが刀身を引き締め、「助光作」の銘が時代を超えて刀匠の存在を伝えます。鉄味の良い地肌に、ヤスリ目が見えない磨き上げられた茎も、職人のこだわりを感じさせます。一方で、鍛割れが1cm×0.3cmほど見られる点は、長い年月を経たこの脇差が、ただの装飾品ではなく、実戦や試し斬りなどに用いられてきた証でもあります。
戦国の荒波に揉まれ、武士たちの命を預ける道具として生まれたこの脇差は、歴史を語る一品。ぜひその手に取り、時代を超えて伝わる戦国武士の魂を感じ取ってください。
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- 銘
- 助光
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- 時代
- 室町時代末期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 246g
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- 刀長
- 42cm
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- 反り
- 1
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- 元幅
- 2.5
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- 元重
- 0.4
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- 先幅
- 1.7
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- 先重
- 0.3
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- 登録番号
- 茨城県 第45019号
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- 登録年
- 平成12年