D4086【白鞘脇差】国貞
江戸時代初期、戦国の乱世を経て徳川幕府が開かれ、平和と秩序の時代が訪れました。しかし武士たちにとって、刀剣は単なる武具ではなく、誇りと身を護る象徴でした。
この「国貞」の白鞘脇差は、そんな時代を映し出す一振です。鎬造に庵棟という堅牢な造りに、小杢目肌が繊細な美しさを放ちます。刃文は湾れに互の目が交じり、柔らかな曲線の中に力強さを秘め、見る者を魅了します。中切先と生茎の栗尻、左上がりヤスリ目の丁寧な仕上げは、備前の刀匠「国貞」の誇り高き技と伝統を物語ります。銀祐乗ハバキが上品さを加え、ほぼ欠点のない保存状態の良さが、この脇差の価値を一層高めています。
江戸初期は平和な時代でありながらも、武士たちは精神を律するため、常に良質な刀剣を携えていました。備前の名工「国貞」によるこの一振は、そんな武士たちの誇りと美意識を体現した作品です。歴史を超えて伝わる名工の技と、江戸初期の空気をぜひその手に取り、感じ取ってください。
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- 銘
- 国貞
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- 時代
- 江戸時代初期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 403g
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- 刀長
- 48.6cm
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- 反り
- 1
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- 元幅
- 2.8
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- 元重
- 0.6
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- 先幅
- 1.9
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- 先重
- 0.4
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- 登録番号
- 東京都 第280924号
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- 登録年
- 平成11年