B4092【拵付刀】鎮政
本刀は、「肥前守藤原鎮政(しげまさ)」の江戸時代中期の作品で、肥前国(現在の佐賀県)において名高い刀剣産地・肥前鍛冶の伝統を継承した一振です。肥前鍛冶は、初代忠吉に始まる一派が特に名高く、精緻な地鉄と安定した焼刃で全国にその名を轟かせました。鎮政もその流れを汲む刀工とされ、実用性と美観を兼ね備えた作刀で評価を受けてきました。
鎬造・庵棟、地鉄は板目が流れて柾がかり、詰んだ鍛えが時代を感じさせます。刃文は互の目乱れを見せ、動きのある焼刃が目を楽しませてくれます。中切先で扱いやすく、茎は生茎に栗尻。銀着せ腰祐乗のハバキが上品な印象を添えています。
拵は黒塗りの艶鞘に丸形の鉄鍔を備え、落ち着いた中にも力強さを感じさせる風格。サビ取り跡が一ヶあるものの、刃こぼれはなく、全体として状態は良好です。
実戦を想定しつつも、江戸中期ならではの安定した鍛刀技術と美意識が結晶した一振。肥前刀の魅力を堪能できる逸品として、コレクションや鑑賞に最適です。
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- 銘
- 鎮政
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- 時代
- 江戸時代中期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 698g
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- 刀長
- 68.8cm
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- 反り
- 1.2
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- 元幅
- 3
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- 元重
- 0.7
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- 先幅
- 1.9
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- 先重
- 0.5
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- 登録番号
- 神奈川県 第66595号
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- 登録年
- 昭和63年