D4129【白鞘脇差】広貞
江戸時代初期に肥前国(現・佐賀県)で鍛刀された希少銘「肥前住広貞」の白鞘脇差です。肥前刀は初代忠吉を筆頭に、優れた地鉄と整った刃文で知られ、武家の間でも高い評価を得ていました。広貞銘は現存数が極めて少なく、市場に出る機会も稀なため、コレクター必見の逸品です。
造りは鎬造・庵棟で、板目肌が詰み、小糠肌調の精緻な地鉄を見せます。刃文は直刃で品格があり、小切先による引き締まった姿が特徴です。茎は生ぶで栗尻、右上がりヤスリ目が明瞭に残り、時代の真贋を物語ります。銅ハバキが装着され、全体として保存状態も良好で、さびや刃こぼれはありません。
江戸初期は天下泰平の世の幕開けとともに、武士の刀は実戦から儀礼・格式の象徴へと変化していきました。その中で肥前刀は、美観と実用性を兼ね備えた名品として諸大名から重用されました。広貞もその系譜に連なる刀工であり、その作は現存数の少なさゆえ、歴史的価値も高く評価されます。
希少性・状態・歴史背景の三拍子が揃った本品は、鑑賞用としても収集価値としても優れた一本です。江戸初期肥前刀の魅力を、ぜひお手元でご堪能ください。
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- 銘
- 広貞
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- 時代
- 江戸時代初期
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- 刃紋
- 直
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 393g
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- 刀長
- 55.7cm
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- 反り
- 1.3
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- 元幅
- 2.8
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- 元重
- 0.6
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- 先幅
- 1.6
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- 先重
- 0.3
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- 登録番号
- 福岡県 第74821号
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- 登録年
- 昭和55年