D4131【白鞘脇差】忠吉
江戸時代初期を代表する名工「肥前住忠吉」による白鞘脇差です。忠吉は佐賀藩お抱え刀匠として名を馳せ、肥前国鍋島家の庇護のもと、極めて精緻な鍛えと美しい直刃で知られました。特に初代忠吉は慶長期から寛永期にかけて活躍し、同時代の大名や武士階級から絶大な信頼を得ています。
刀身は鎬造・庵棟で、板目肌が詰みつつ柾目がかる上質な地鉄を持ち、直刃の刃文は静謐かつ気品ある趣を漂わせます。小切先で取り回しやすく、保存状態は極めて良好で、さびや刃こぼれはありません。生茎には平行なヤスリ目が明瞭に残り、銅ハバキを備えた端正な姿は、肥前刀特有の洗練された作域を堪能できます。
肥前刀は切れ味の優秀さと耐久性で知られ、実用と美観を兼ね備えた名刀として古来より高く評価されてきました。忠吉銘の脇差は現存数も限られ、コレクション価値が非常に高い逸品です。忠吉は肥前国(現在の佐賀県、及び長崎県)の戦国大名龍造寺隆信に仕えた重臣の家に生まれましたが、父が「島津家」との戦いで戦死。忠吉は加藤清正に召し抱えられていた刀工同田貫善兵衛の家に預けられ、約13年間にわたり鍛刀を学び、その後慶長新刀の祖と呼ばれる埋忠明寿に師事しました。
歴史と美術的価値の両面からお楽しみいただけます。武家文化の粋を伝える本脇差は、鑑賞用としても家宝としてもふさわしい一振りです。
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- 銘
- 忠吉
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- 時代
- 江戸時代初期
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- 刃紋
- 直
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 391g
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- 刀長
- 43cm
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- 反り
- 1.2
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- 元幅
- 2.8
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- 元重
- 0.6
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- 先幅
- 1.9
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- 先重
- 0.5
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- 登録番号
- 岩手県 第25571号
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- 登録年
- 昭和54年