D4141【白鞘脇差】無銘
室町時代中期に製作された無銘の白鞘脇差です。刀身は鎬造・庵棟を備え、地鉄には細やかな小杢目肌がよく現れ、直刃を基調としつつ乱れを交える刃文が流麗に走ります。小切先に収まり、どっしりとした刀身は中世戦国の実戦に用いられた脇差の風格を伝えています。茎は生ぶで剱形を呈し、左上がりの鑢目が明瞭に残り、銅製の質実なハバキが添えられています。保存状態は良好で、さびや刃こぼれもなく、古刀の力強さを今に伝える一本です。
室町中期は応仁の乱以降、群雄割拠の時代を迎え、刀剣需要が急増しました。そのため備前・美濃・相州といった各地で数多くの刀匠が活躍し、実用性と美観を兼ね備えた名品が生まれました。本作もまた、その時代性を色濃く反映する、実戦に備えた頑丈な作りを特徴としています。
「刀剣乱舞」に登場する長谷部国重や宗三左文字なども同時代に活躍した刀工であり、本脇差もそうした中世の刀剣文化と通じる存在といえるでしょう。歴史的背景を感じつつ鑑賞することで、当時の戦乱の世を支えた武士たちの気迫を追体験いただけます。
コレクションとしてはもちろん、日本刀の時代考証や美術的鑑賞にも適した一振。室町時代中期の風格を備えた古刀をお探しの方におすすめの脇差です。
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- 銘
- 無銘
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- 時代
- 室町時代中期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 416g
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- 刀長
- 54.6cm
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- 反り
- 1.5
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- 元幅
- 3
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- 元重
- 0.7
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- 先幅
- 1.7
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- 先重
- 0.4
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- 登録番号
- 東京都 第329672号
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- 登録年
- 令和7年