刀

本作は、銘「二王清久」による鎌倉時代の拵付刀です。二王派は周防国（現・山口県）を拠点に活躍し、元応年間（1319〜1321年）、まさに蒙古襲来の緊迫した時代に刀を鍛え上げました。特徴は鎬造・庵棟にして板目肌が詰み、落ち着いた直刃に乱れごころが交じる品格ある刃文。小切先で取り回し良く、大磨上茎ながらも力強さを失わず、戦国武士が実戦で信頼を寄せた造りを示しています。

拵は金と黒の石目ツヤ塗鞘を備え、丸形銅ツバを合わせた端正な仕立て。欠点もなく保存状態も良好で、金着せ二重ハバキが刀身を一層引き立てます。加えて、日本美術刀剣保存協会による「特別保存刀剣鑑定書」および、日本刀剣保存会5名連名の鑑定書が付属する、確かな真贋と価値を保証する一振です。

二王清久は新選組局長・近藤勇が斬首に用いた刀としても知られ、歴史の一幕に名を刻んでいます。また人気刀剣ゲーム「刀剣乱舞」にも二王清綱が登場し、ファンの間で高い注目を集めています。本作は実用美と歴史的ロマンを兼ね備えた逸品であり、刀剣愛好家やコレクターにとって見逃せない一口となるでしょう。