B4144【拵付刀】国包
本品は、銘「山城守藤原国包」の拵付刀で、室町時代初期に制作された逸品です。国包は鎌倉後期から室町初期にかけて活躍した名工で、あの相州正宗のお抱え刀工として知られています。正宗の高弟として研鑽を積み、その作刀は堅牢で実用性に優れつつも、気品ある地鉄と刃文を誇ります。
刀身は鎬造、庵棟で、詰んだ板目肌に映える「乱れ心の直刃」が特徴的です。現存する姿もさびや刃こぼれなく健全で、銅ハバキを備えた確かな仕立て。拵は綺麗な黒塗鞘に角形鉄ツバを合わせ、さらに縁金・目貫には鶴図を配した雅趣あふれる意匠が施され、武家文化の美意識を色濃く伝えています。
国包は室町初期に名を馳せ、戦国武将からも高い評価を得た刀匠であり、その存在は日本刀史において重要な位置を占めています。なお、刀剣乱舞では正宗一派やその周辺の刀工たちが数多く登場しており、国包もまた正宗に連なる刀匠として注目される存在といえるでしょう。
本刀は、室町初期の歴史と美意識を現代に伝える希少な作であり、コレクションはもちろん、日本刀研究の観点からも大変価値ある一振です。
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- 銘
- 国包
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- 時代
- 室町時代初期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 696g
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- 刀長
- 70.6cm
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- 反り
- 1.5
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- 元幅
- 3.1
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- 元重
- 0.8
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- 先幅
- 2.9
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- 先重
- 0.5
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- 登録番号
- 富山県 第13590号
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- 登録年
- 昭和47年