D4148【白鞘脇差】無銘
室町時代中期に製作されたと考えられる無銘の白鞘脇差です。鎬造・庵棟の端正な姿を備え、板目肌は詰んで流れを見せ、地鉄の冴えが一目で伝わります。刃文は直刃を基調に柔らかな湾れを交え、古雅な趣を漂わせつつも力強さを兼ね備えた出来映えです。中切先に至るまで均整の取れた姿態を示し、生茎・栗尻に平行なヤスリ目がしっかりと残されており、保存状態の良さも本刀の魅力です。銀色のハバキが付され、刀身の美しさを一層際立たせています。
室町時代中期(15世紀頃)は、応仁の乱をはじめとする戦乱の時代であり、武士たちは常に実戦に備えて刀剣を携えていました。本脇差はそのような時代背景を色濃く映し出す実戦刀のひとつといえるでしょう。無銘であっても地鉄や刃文の出来から当時の刀工の高い技量をうかがうことができます。
また、刀剣乱舞に登場する備前祐定や相州伝の刀匠たちも、この時代に活躍しており、本脇差も同時代の作品として比較しながら鑑賞するのも楽しみのひとつです。実用と美観を兼ね備えた本脇差は、日本刀コレクションの一振としておすすめできる逸品です。
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- 銘
- 無銘
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- 時代
- 室町時代中期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 449g
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- 刀長
- 52.3cm
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- 反り
- 1.9
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- 元幅
- 2.8
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- 元重
- 0.7
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- 先幅
- 1.8
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- 先重
- 0.5
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- 登録番号
- 東京都 第122185号
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- 登録年
- 昭和39年