D4152【白鞘脇差】國次
「肥前住國次」の銘を刻む、江戸時代初期に製作された白鞘入りの一振です。國次は肥前刀の祖・初代忠吉を祖父に持ち、その系譜を受け継ぐ名工として知られています。肥前刀は徳川幕府の御用刀工としても活躍し、切れ味・美観ともに高く評価され、武士たちの間で広く愛用されました。
本作は鎬造・庵棟の造り込みに、板目肌が詰んだ精緻な地鉄を備え、互の目乱れの刃文が鮮やかに浮かび上がる、肥前刀らしい華やかさと実用美を兼ね備えています。中切先に引き締まった姿、生茎・栗尻の古格ある茎仕立て、さらに銅ハバキを備え、保存状態も極めて良好です。サビや刃こぼれもなく、綺麗な刀身は観賞用にも優れ、また当時の肥前刀工房の高い技術を今に伝えています。
江戸初期という天下泰平の世を迎えた時代背景の中で、武士の権威を象徴する脇差は、武家の日常に欠かせない護身の道具であり、格式を示す品でもありました。忠吉一門の國次による本刀は、その歴史と美術的価値を存分に感じ取れる逸品です。
また人気ゲーム「刀剣乱舞」にも肥前刀工・忠吉が登場しており、その流派を受け継ぐ國次の刀は、ファンやコレクターにとっても注目すべき存在といえるでしょう。コレクションとして、また歴史を感じる美術品として、ぜひご検討ください。
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- 銘
- 國次
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- 時代
- 江戸時代初期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 420g
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- 刀長
- 47cm
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- 反り
- 0.8
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- 元幅
- 3
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- 元重
- 0.6
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- 先幅
- 2
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- 先重
- 0.5
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- 登録番号
- 福岡県 第66268号
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- 登録年
- 昭和49年