D4154【白鞘脇差】下坂
銘「下坂」を刻む白鞘入り脇差で、江戸時代初期に越前国(現・福井県)で活躍した刀工の手による一振です。越前刀は加賀藩の庇護を受け、京・美濃の技術を取り入れながら発展したことで知られ、堅実な作刀で評価を得てきました。
刀身は鎬造に庵棟、小杢目肌がよく詰み、互の目乱れの刃文が鮮明に表れ、古雅で落ち着いた気品を漂わせています。中切先を備え、姿は引き締まり、鑑賞刀としても魅力を放ちます。茎(なかご)は生ぶで尻張りを見せ、左上がりの鑢目が時代を物語り、当時の作風を忠実に残しています。銅製のハバキも添えられ、保存状態は良好で、さびや刃こぼれはなく良好です。
下坂一派は越前を代表する刀工群であり、「越州住下坂」の銘からも、その伝統と誇りをうかがうことができます。江戸初期の越前刀は実用性と美観を兼ね備え、武士の日常に寄り添った存在であり、当時の歴史背景を感じさせる逸品です。
本脇差は、初心者の方にも手に取りやすく、またコレクションに加えるにもふさわしい一振。日本刀の魅力をじっくり堪能していただける品となっております。
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- 銘
- 下坂
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- 時代
- 江戸時代初期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 560g
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- 刀長
- 52.6cm
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- 反り
- 1
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- 元幅
- 2.9
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- 元重
- 0.7
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- 先幅
- 2
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- 先重
- 0.5
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- 登録番号
- 宮崎県 第20075号
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- 登録年
- 昭和48年