D4159【白鞘脇差】無銘
江戸時代末期(幕末期)に製作された無銘の白鞘脇差です。刀身は鎬造・庵棟を備え、鍛えは板目肌。地鉄は詰み、鍛え肌が落ち着いて見られます。刃文は鮮明な互の目が続き、変化に富む働きが観察できる点が特徴的です。小切先を備え、姿は時代特有の実用性を重んじた脇差姿を示しています。茎は生茎で、栗尻に整い、左上がりの鑢目が明瞭に残され、製作当時の息吹を伝えています。ハバキは素朴な木製で、実戦向けに携帯された可能性を感じさせます。
江戸時代末期は動乱の幕末期にあたり、武士階級だけでなく庶民や浪士も帯刀することが多く、脇差は護身用として広く普及していました。無銘ながらも健全な刀身に鮮明な刃文を有する本品は、当時の需要を反映した一振といえるでしょう。銘を持たない脇差は、かえって素朴な作刀技術や実用本位の美を感じさせ、刀剣収集の入り口としても人気があります。日本刀の歴史や幕末の時代背景を身近に感じられる、手頃で魅力ある一振です。
-
- 銘
- 無銘
-
- 時代
- 江戸時代末期
-
- 刃紋
- 乱
-
- 目釘
- 1
-
- 重量
- 435g
-
- 刀長
- 45cm
-
- 反り
- 1.1
-
- 元幅
- 2.8
-
- 元重
- 0.7
-
- 先幅
- 1.8
-
- 先重
- 0.4
-
- 登録番号
- 岡山県 第40173号
-
- 登録年
- 昭和37年