D4165【白鞘脇差】無銘
無銘ながらも江戸時代末期に製作されたと見られる白鞘入りの脇差です。刀身は鎬造り、庵棟で整えられ、板目肌がしっとりと流れ、刃文は乱刃が冴えわたる姿を示しています。小切先に纏まった姿は扱いやすく、実用性と美観を兼ね備えた一振といえるでしょう。茎は生ぶで残され、剱尻の形状に加え、左上がりの鑢目が丁寧に施されています。金色の二重ハバキが添えられており、格調を高めるとともに保存状態の良さを物語ります。
江戸末期は幕末動乱の時代にあたり、剣術の隆盛とともに護身用として脇差の需要が高まりました。刀工銘は残されていないものの、当時の刀工たちは武士階級や町人からの注文に応じ、多様な作風を生み出しました。本作の細身の姿は、実用に即しながらも美しい流麗さを備えており、時代の世相を映す品格を感じさせます。
現代では希少な江戸時代末期の脇差であり、コレクションや鑑賞用に適した一振です。無銘ゆえに手頃な価格でありながら、日本刀の歴史と美を堪能できる逸品です。
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- 銘
- 無銘
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- 時代
- 江戸時代末期
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- 刃紋
- 直
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 315g
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- 刀長
- 40cm
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- 反り
- 0.6
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- 元幅
- 2.7
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- 元重
- 0.7
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- 先幅
- 1.7
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- 先重
- 0.4
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- 登録番号
- 千葉県 第049148号
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- 登録年
- 平成14年