F4166【槍】無銘
江戸時代初期に製作された無銘の拵付の槍です。刀身は板目肌がよく現れ、直刃の落ち着いた刃文を備えています。全長は茎から切先まで33.7cm、拵を含めると87cmとなり、「御籠槍(おこもりやり)」と呼ばれる形式に分類されます。御籠槍とは、大名や武士が籠に乗る際、護衛や随行の者が携えた比較的短寸の槍で、籠内に収められるように工夫された長さが特徴です。戦場での長大な槍とは異なり、護身具・格式品としての意味合いが強く、武家の威信を示す道具でもありました。
刀身にはサビや刃こぼれもなく、時代を経た槍として保存状態は良好です。拵も残されており、江戸初期の武具文化を今に伝える貴重な一振といえるでしょう。無銘ながらも当時の刀工が実用と美観を兼ね備えて鍛えた技術が感じられ、槍特有の鋭い直線的な姿と短寸ならではの実用美が楽しめます。コレクションはもちろん、武士の生活文化を物語る資料的価値も高い槍です。
※ 拵に目釘穴がない為、刀身が動きますのでご注意下さい。
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- 銘
- 無銘
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- 時代
- 江戸時代初期
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- 刃紋
- 直
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 89g
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- 刀長
- 15cm
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- 反り
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- 元幅
- 2.7
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- 元重
- 0.5
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- 先幅
- 1
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- 先重
- 0.3
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- 登録番号
- 山梨県 第9809号
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- 登録年
- 昭和43年