B4167【拵付刀】無銘
江戸時代末期に製作された無銘の拵付刀です。刀身は板目肌に鍛えられ、広直刃が伸びやかに映え、小切先を伴う端正な姿を呈しています。生茎に栗尻を備え、健全な状態を保っており、刀身にはさびや刃こぼれもなく、時代を経た逸品でありながら保存状態に優れています。
拵は美しく、赤と黒の変り塗鞘が鮮やかで、鑑賞価値の高い仕上がりとなっています。鉄地の丸形卍透鐔にはふくりんが付され、格式と意匠性を兼ね備えています。さらに縁頭には金工細工が施され、目貫には鳥の図柄が揃えられており、当時の武士の美意識と洒落心が随所に表れています。銀祐乗ハバキも付属し、拵全体として完成度の高い一振りです。
江戸末期は動乱の幕末期にあたり、刀剣は武器としての実用を超え、武士の威厳や教養を示す象徴的な存在でもありました。本刀はまさにその背景を反映した一作であり、歴史と美術を兼ね備えた収集価値の高い品となっています。
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- 銘
- 無銘
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- 時代
- 江戸時代末期
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- 刃紋
- 直
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 936g
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- 刀長
- 73cm
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- 反り
- 1
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- 元幅
- 3.4
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- 元重
- 0.8
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- 先幅
- 2.3
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- 先重
- 0.6
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- 登録番号
- 山形県 第36515号
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- 登録年
- 昭和48年