D4170【白鞘脇差】義次
銘「筑前住源信国義次」と刻された白鞘脇差で、日本美術刀剣保存協会の特別保存刀剣に指定された確かな一振です。時代は江戸時代初期、平造の端正な姿を備え、板目肌に練れた地鉄はよく詰み、互の目乱れの刃文が明るく冴えて映えます。大切先の力強い造り込みは、戦国の名残をとどめつつも、太平の世に向かう時代性を感じさせるものです。
義次は筑前信国派の刀工で、京の名門「信国派」の流れを汲み、九州博多の地で活躍した刀匠と伝わります。信国派は南北朝から室町にかけて名を馳せ、均整の取れた姿と華やかな刃文で知られ、江戸初期には筑前に移住した一派が武士階級に愛されました。本脇差もその系譜を示す特徴を備え、品格ある出来映えを誇ります。
白鞘に収められ、銅祐乗ハバキが付属するなど保存状態も良好で、実用美と鑑賞美を兼ね備えた逸品です。特別保存刀剣という鑑定書付きで、初心者からコレクターまで安心してご所蔵いただけます。江戸初期の刀工芸術と武士の美意識を映す一振を、この機会にぜひご堪能ください。
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- 銘
- 義次
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- 時代
- 江戸時代初期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 354g
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- 刀長
- 34.5cm
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- 反り
- 0.5
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- 元幅
- 3.3
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- 元重
- 0.8
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- 先幅
- 1.9
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- 先重
- 0.4
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- 登録番号
- 兵庫県 第122126号
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- 登録年
- 平成27年