E4175【拵付脇差】無銘
室町時代中期(15〜16世紀頃)に製作された無銘の拵付脇差です。戦国期にあたるこの時代は、合戦の多発によって武士の需要が急増し、数多くの刀剣が鍛造されました。本脇差もその流れの中で生まれた一振で、実用性を重んじた姿がよく残されています。
刀身は鎬造・庵棟、板目肌が流れごころに現れ、互の目乱れの刃文を見せています。中切先を備えたバランスの取れた造りで、実戦向けに適した姿を示しています。生茎には平行なヤスリ目が施され、当時の刀匠の手仕事を感じることができます。銅ハバキが付き、拵は黒塗ツヤ鞘に丸形透かしの鉄ツバを合わせ、さらに木製の小柄を備えるなど、武士の実用性と美意識を併せ持つ仕立てです。
無銘ながらも、室町中期の時代性を色濃く反映した一振であり、戦国武士が携行したであろう脇差の雰囲気を現代に伝えています。刀身・拵ともに保存状態は良好で、さびや刃こぼれもなく、歴史的価値と美術的鑑賞性を兼ね備えた一品です。コレクションや鑑賞にふさわしい、戦国時代の空気を感じられる貴重な脇差となります。
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- 銘
- 無銘
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- 時代
- 室町時代中期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 485g
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- 刀長
- 53cm
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- 反り
- 2
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- 元幅
- 2.7
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- 元重
- 0.6
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- 先幅
- 1.9
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- 先重
- 0.5
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- 登録番号
- 和歌山県 第13128号
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- 登録年
- 昭和44年