江戸中期 銘「○元作」三角槍 黒塗拵付 直刃 珍品角形柄
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- 銘
- □元
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- 時代
- 江戸時代中期
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- 刃紋
- 直
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- 目釘
- 2個
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- 重量
- 125g
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- 刀長
- 19.5cm
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- 反り
- 0cm
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- 元幅
- 2.2cm
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- 元重
- 0.6cm
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- 先幅
- 0.9cm
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- 先重
- 0.3cm
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- 登録番号
- 岩手県 第21972号
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- 登録年
- 昭和49年
江戸時代中期に制作されたと考えられる三角槍です。槍は戦国時代以来、武士の象徴的な武器として重用され、江戸時代に入ってからも武家の格式を示す儀礼的な意味合いを持ちつつ、鍛刀技術の粋を結集した武器として作り続けられました。泰平の世において制作された槍は、実戦よりも精緻な作りと美的完成度を追求する傾向があり、本品にもそうした時代の特質が見られます。
茎には「○元作」の銘が刻まれておりますが、一字が判読困難なため刀工の特定には至っておりません。しかしながら、丁寧な鍛えと整った直刃(すぐは)からは、確かな技量を持つ職人の手によるものであることが伺えます。
造りは三角造りで、刃文は穏やかで品のある直刃。地鉄は板目肌(いためはだ)で、鍛え目が均一に詰まっており、落ち着いた地景を見せます。茎の裏側には薄く朱を入れた添樋が約7cmにわたって施されており、装飾性と軽量化を兼ねた江戸期らしい細工が確認できます。刀身は茎から切先まで33cmを測ります。
拵は黒塗の鞘に収められた全長53.2cmの完存品で、鞘全長は29cmです。特筆すべきは角形の柄で、2.4cm×1.8cmという断面が四角形の珍しい形状をしており、同時代の槍の中でも希少な仕様です。目釘は2個打ちで、保持の安定性にも配慮されています。
保存状態は良好で、錆・刃こぼれは見られません。槍の現存数は刀に比べて少なく、拵が揃った状態での出物はさらに希少です。銘入りで拵付き、保存状態も良好な本品は、武具・古武道に関心をお持ちの方や日本の武家文化を身近に感じたい方にとって、価格的にも入手しやすい一振りです。