D4214【白鞘脇差】國久
室町時代末期に作刀された銘「國久」の白鞘脇差です。戦国動乱が激しさを増す時代背景の中、実戦性を重視した刀剣が数多く生み出され、本刀もその流れを色濃く伝える一振といえます。刀身は44.6cm、反り0.8cmと取り回しの良い体配で、中切先を備え、近接戦に適した実用的な姿を示しています。
地鉄は板目が流れ、ところどころ柾がかる古作らしい表情を見せ、鍛えの確かさがうかがえます。刃文は乱れ刃が連続し、戦国期らしい力強さと変化に富んだ景色を楽しめます。茎は生茎・栗尻で、時代を経た作でありながら保存状態は良好。さびは見られず、全体として健全なコンディションを保っています。
唯一、刃先に長さ約3mm・深さ約1mmの刃こぼれが一箇所確認されますが、その分、銘刀ながら価格を抑えた設定となっており、実物鑑賞用や研究資料としても魅力的な一振です。
銘の「國久」は室町期に各地で作刀した刀工名として知られ、特に末期作には実戦的な脇差が多く見られます。確実な流派特定は難しいものの、当時の需要に応えた堅実な鍛えと姿から、戦国期刀工の仕事ぶりを体感できる作品です。初めて室町古刀に触れる方から、研究・蒐集目的の方まで幅広くおすすめできます。
刀工について
銘「國久」は室町時代を中心に複数の刀工が名乗った名で、各地に作例が伝わります。本作もその系譜に連なる一振と考えられ、実用本位の作風が特徴です。
※特定の一人の刀工に断定できる史料はなく、信頼できる一般的な刀剣史の範囲での解説となります。
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- 銘
- 國久
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- 時代
- 室町時代末期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 356g
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- 刀長
- 44.6cm
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- 反り
- 0.8
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- 元幅
- 2.6
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- 元重
- 0.5
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- 先幅
- 1.9
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- 先重
- 0.4
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- 登録番号
- 東京都 第187319号
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- 登録年
- 昭和49年