D4229【白鞘脇差】無銘
室町時代末期に製作されたと考えられる無銘の白鞘脇差です。戦国の世が最高潮を迎えたこの時代は、実戦に即した堅牢さと斬れ味を重視した日本刀が多く生み出された時期として知られています。本作もまた、実用本位の姿と確かな鍛えを備え、当時の刀剣文化を今に伝える一振りです。
造り込みは鎬造・庵棟で、姿に大きな破綻はなく、全体に均整の取れた中切先を備えています。地鉄は板目がよく詰み、小杢目が現れる精緻な肌合いを見せ、鍛えの良さが際立ちます。刃文は小乱れがちに尖り互の目が連なり、戦国末期らしい動きのある景色を楽しむことができます。派手さよりも実用性を感じさせる刃取りで、見る者に力強い印象を与えます。
茎は磨り上げられ切とされており、時代を経た刀に多く見られる姿です。平行に整ったヤスリ目からは、当初の作風を丁寧に伝えようとする仕事ぶりがうかがえます。銅製の二重ハバキが付属し、刀身を確実に支えると同時に、落ち着いた風格を添えています。
無銘ではありますが、地鉄・刃文・姿の総合的な特徴から、室町末期の量産期における実戦刀の典型例といえるでしょう。さびや刃こぼれもなく保存状態は良好で、初めて古刀に触れる方から、時代物を一点加えたい収集家まで、幅広くおすすめできる脇差です。歴史の息遣いを感じながら、ぜひお手元でご鑑賞ください。
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- 銘
- 無銘
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- 時代
- 室町時代末期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 2
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- 重量
- 421g
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- 刀長
- 48.2cm
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- 反り
- 1.5
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- 元幅
- 2.6
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- 元重
- 0.6
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- 先幅
- 1.8
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- 先重
- 0.4
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- 登録番号
- 広島県 第32566号
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- 登録年
- 昭和44年