D4230【白鞘脇差】無銘
室町時代初期に制作されたと見られる無銘の白鞘脇差です。南北朝の動乱を経て、実戦性が重視された時代背景を色濃く反映した一振で、造りは切先へ向かって身幅を絞らない菖蒲造。これは薙刀直しや実戦刀に多く見られる形式で、斬撃性能を重視した当時の武家社会の要請を物語っています。
鍛えは板目肌がよく詰み、地鉄は健全。刃文は互の目乱れが連続して現れ、変化に富みつつも力強い景色を見せています。小切先ながら全体の均整が良く、室町初期らしい実用本位の姿を保っています。さびや刃こぼれは見られず、約600年を経た古刀としては保存状態も良好です。
茎は生茎・栗尻で、ヤスリ目は時代相応に不明瞭ながら、自然な古色があり、後世の加工を受けていない点は評価できます。無銘ではありますが、特定の刀工・流派に断定できないからこそ、純粋に姿・地刃から時代性を味わえる一本といえるでしょう。
また、本作には金色と銀色の二重ハバキが付属し、白鞘脇差ながら格調を感じさせます。鑑賞用としてはもちろん、室町初期の日本刀の様式を学ぶ資料的価値も高く、古刀入門から実戦刀研究まで幅広くおすすめできる脇差です。
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- 銘
- 無銘
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- 時代
- 室町時代初期
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- 刃紋
- 乱
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 316g
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- 刀長
- 43.4cm
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- 反り
- 0.8
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- 元幅
- 2.7
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- 元重
- 0.5
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- 先幅
- 1.6
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- 先重
- 0.4
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- 登録番号
- 東京都 第330052号
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- 登録年
- 令和7年